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朝日新聞社説 伝統構法 [木造]

昨日の朝日新聞社説が伝統構法を取り上げた。
めずらしい事だ。

朝日新聞社説:
http://www.asahi.com/paper/editorial20090621.html

国交省が3年をめどに木造伝統構法の構造設計基準を作成していることは以前書いた。

社説で私が注目をしたのは、「石場建て」のことだ。

>>>「石場建て」はすでに関西では認められた例もある。
>>>国交省は振動実験などを重ねてその設計法をつくり、
>>>各地で建てられるようにしてほしい。

朝日新聞の社説は石場建てを認めて欲しいと言っている。

現状の動きは「職人の作る木の家ネット」のホームページなどで知ることが出来る。

「職人の作る木の家ネット」:
http://kino-ie.net/report_062.html


「石場建て」は、土台を用いずに、柱の根元を玉石(基礎)の上に載せて建てる方法だ。
擁護派は地震の際、柱と基礎がずれて入力される地震力が低減されると言う。

科学的根拠を持った工学的基準を作るとなれば「再現性」のあるデータが必要だ。
「石場建て」にそれが出来るのか? 非常に難しいと考える。



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コメント 4

たいせい

 私の場合少し考えが違います。
 元々建築に関わる学問というのは、幾多の災害を経て無事に建っている建物を研究することから始まったはずなのにかかわらず、その最終的な生成物である諸規制によって災害に耐えたはずの伝統工法までもが建てられなくなったこと自体がおかしいと感じています。

 最近よく言われるようになって貫構法にしても、木材の伸縮などにより実証試験の値は大きく異なる場合も多かろうとは思いますが、現実に時代の風雪に耐えてきました。
 石場建ての場合は、地面の揺れを構造物本体に伝えない工法なわけですが、もしも地震により位置がずれたり不等沈下などが起こった場合には、元の位置に直すという修理によって再び建物を使えるようにする智恵だとも聞いています。
(伝統工法は、地震で大きく揺れるとまず土葺きの屋根瓦を葺き土と共に落下させ建物本体の負担を軽くし、更にゆれた場合には土壁も落とし構造だけの身軽な状態にする。地震後ゆがみを直し多少の補強をして屋根壁を施工し直せばまた住み続けられるという工法と聞いています。)
 現実に能登半島地震の際には、県の監修及び補助の元でこの方法での修復がかなり行われているはずです。

 伝統工法は、在来建築と考え方自体が異なると感じています。
by たいせい (2009-06-22 22:12) 

昭ちゃん

内緒ですが、浜名湖の西、鷲津の豊田佐吉記念館(明治40年、1907建築)を調べたことがあります。粒の揃った砂利層の上に石場建てでした。建設時期から見て、1944東南海、1945三河、1946南海を経験していますが、貫鴨居・通し貫の一部に被災した痕跡と思われる亀裂があただけでした。まあ、持ち主がトヨタ役員でもあり維持保全は良好でしたが。関係者一同、砂利層と石場建てが免震的効果をあらわしたのだろうと言う結論に達しました。
by 昭ちゃん (2009-06-23 21:49) 

たいせい

 追記ですが、石端建てについて書かれた気仙大工の記事を見つけました。

「気仙大工」新(ケセン語)ブログ 「石場建て工法」の構造材
http://kinoie-kanno.seesaa.net/article/122131898.html

 またこのかたのBLOGが伝統工法について非常に詳しく書かれています。

建築をめぐる話・・・・・つくることの原点を考える  下山眞司
http://blog.goo.ne.jp/gooogami

by たいせい (2009-06-24 21:15) 

sei-kita

住宅・木材技術センターは6月23日伝統的木造軸組構法住宅の耐震性能実験の報告を発表した。
全体でA4版298頁になる報告書でとても読んでいる暇が無い。

3章に「限界耐力計算に基づく設計法の構築」がある。
この部分は22頁だから読めないことは無い。

後半に「簡易設計法」の紹介がある。
柱脚についての記述もある。
かなり具体的だ。

by sei-kita (2009-06-27 09:01) 

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