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S造平屋100㎡の学校に計算書は必要か。 [構造計算]

2008年1月7日の記事「4号建築物の構造計算書」に対して、かんのさんから質問が
あったので、判る範囲で記述します。

S造で学校と言う特殊建築物であっても1階建て、延べ面積200㎡を超えない建築物は
構造計算書の提出義務はありません。

構造計算をしなければならない建物として建築基準法第20条「構造耐力」に規定があります。
構造種別と規模によって決められています。
「・・・・に従った構造計算によって・・・・確かめられる安全性を有すること。」

用途による構造計算の要・不要の判定基準はありません。

学校などの特殊建築物の床面積の合計が100㎡を超える場合の規定は、
第6条第1項第一号にある確認申請の提出義務です。

法第20条第四号には小規模な建築物は「政令で定める基準」に従うことが決められています。
詳細な説明を省きますがS造であれば使用材料、柱脚、接合などの
最低限の仕様規定を守ことが定められています。

もちろんより高度な構造計算、時刻歴応答解析をおこなっても良いのですが・・・・

今の基準法を素直に読めば構造計算を行って安全性を確保した場合は
計算書の提出義務が生じ、偏心率などを算出した場合には
構造計算適合性判定を受けなければならなくなります。
よって、自主的に構造計算を行っても、建前上、役所の建築審査課や民間確認審査機関には
構造計算を行ったと言明出来ない矛盾があります。

構造計算書については上記のとおりです。

構造図に関してはまた込み入ってます。

施行規則第3条の3 表1 (は)に基礎伏図・各階床伏図・小屋伏図・構造詳細図が列挙されています。
規模による免除はありません。原則すべての建築物が提出必要となります。
しかし審査機関が4号建築物で構造図は添付不要といっているのは建築士設計による確認の
特例があるためです。(施行規則第3条の3 第5項)
よって普通は建築士が設計しますから構造図も提出不要となります。

建築士や構造屋さんに聞いて誰からも同じ正解が直ぐに得られないのは、
それほど建築基準法及び施行令、施行規則が複雑になってしまったからです。

構造計算書の規定は施行規則第1条の3「確認申請書の様式」に記述されていますが、
膨大な量があって一読しただけでは理解できません。

確認申請の実務を行っている建築士でも「各種のマニュアルや解説書、Q&Aなど」と
法令集を何度も見比べながら仕事を進めているのが現状です。

あーーー ややこしーーーいーーーー。

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コメント 3

FAT26

いつも読ませて頂いてます。
さて、
>特殊建築物であっても1階建て、延べ面積200㎡を超えない建築物は
構造計算書の提出義務はありません。

について、ちょっと書かせてください。

100㎡を超える特殊建築物については、建築士の設計による特例は適用されないわけですが、平屋で200㎡以下なら法6条の3号建物には該当しないということで、法20条の四号になります。これだと構造仕様規定のみ満足させれば良いということになります。
そうすると構造図は要るものの、構造計算書が不要であるように思えるのですが、そうでもないのです。
鉄骨造の構造仕様規定の中に「構造計算によって安全を確認しない限り軸組に斜材(ブレース)を配置しなければならない」旨の条文があり、結局ブレース架構でなければ構造計算をする必要がある、ということのようです。

建築基準法・・・なんでこんなややこしい書き方しかできないんでしょうかね。
by FAT26 (2008-03-13 22:10) 

sei-kita

FAT26さんへ
 コメント感謝です。
 夜遅くなってきて頭回らなくなっています。
 私はまだ計算書提出は不要と考えています。
 鉄骨造のブレース無しにする為の計算と言うのは
 3章5節鉄骨造令69条斜材、壁等の配置ですよね。
 これは建築行政情報センター(ICBA)
改正建築基準法に係る質疑・応答No.331で説明されている
 「第3章第1節から第7節の2までの構造方法規定(仕様規定)の一部であり、審査省略の対象です。」に含まれると思っています。
 構造計算の結果であって計算書では無いと苦しい言い訳をしているやつと思っています。 

私の1月7日の記事参照ください。
建築構造設計会議室でも最近話題になっています。
「これって構造計算要るの?」
結論ははっきりしてませんが・・・
だんだん自信無くなって来ます・・・・・・・

by sei-kita (2008-03-14 00:42) 

FAT26

私ももう一度読み直してみました。

ICBAの質疑・応答No.331は、法6条の4号建物である場合の令10条特例の解説だと思います。従って100㎡を超える特殊建築物は法6条の1号建物であり、仕様規定も審査対象になってくると思います。
但し、同じくNo.331で書かれているように、法20条の四号に該当する建物であるなら、
【構造方法規定の一部として規定されている構造計算を行った場合については、建築士法第20条第2項でいう「構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合」には該当しない】
ということで、安全証明書は必要ないということのようです。

また、「構造計算書」の添付が必要かどうかという点ですが、法6条の1号建物となると、規則第1条の3表2(1)項の「令第69条の構造計算の結果及びその算出方法」の添付が求められます。仰るように、それはいわゆる構造計算書(概要書を含めた)とは違うと言えるのかもしれません。
けれども令10条特例は、それすらも省略できるという規定で、構造に関して全く何も付けずに済ますことができるわけですので、そうでない場合とは大きな違い(手間としては構造計算書を作成するのとあまり差がなくなってくる)があると思います。

by FAT26 (2008-03-14 17:23) 

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