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20世紀の崩壊 日本の再生 ピーター・タスカ [その他]

ピーター・タスカを私は良く知らない。
WEBで調べるとイギリスの証券アナリスト・投資顧問らしい。
1955年生まれで、まだ若い。
日本事情に詳しい。

本棚の大掃除をしていて彼の著書「20世紀の崩壊 日本の再生」を発見した。
1993年発行の本だ。
読んだ記憶が薄っすらとある。
バブル経済が崩壊してしばらく経った年である。
1993年8月に細川連立政権が誕生している。

この本の内容が適格だったかどうかは難しいところがある。
当たっているところもある。

その後自民党は公明党との連立で政権に復活した。

小泉劇場での圧勝もあった。

少し長くなるが転載しておこう。


ピーター・タスカ「20世紀の崩壊 日本の再生」 149頁

『自民党も捨てられる

 自民党政権がギネスブックに載せるに値するほど長く続いたのには、二つの大きな理由が
あった。一つは、国民の生活水準が毎年着実に向上してきたこと。第二の理由は、冷戦中、
日本にはアメリカの庇護が必要で、それを自民党以外の政党は保証できなかったこと。
 しかし、最近、この二つの理由に大きな変化が起きている。
 日本政府は、戦後最大の経済政策ミスで、現在の金融危機や景気低迷を悪化させた。この
ため、所得が伸びなくなり、家庭のバランスシートが崩れて、失業も現実問題になつてきて
いる。そういう環境のもとでは、景気が良いときには許されていた政治家のお金の使い方
が、厳しい目で見られるのは当然である。
 七〇年代、経済が上昇波動に乗っていたとき、田中角栄氏が手にした五億円を、国民はそ
れほど問題にしなかった。事実、その後の選挙でも、田中氏は圧倒的な票を集めた。しか
し、下降波動が最終局面に入ろうとしている現在、金丸信氏の五億円は許そうとはしなかっ
た。
 中言根元首相が、自民党の全国研修会で、こんな鋭い指摘をしている。
 「米ソ冷戦時代に仕事をした連中はもう用がなくなったと捨てられる。政治家や政権はティ
ツシュペーパーのようなもので、使ったらポイと捨てればよいというのが現代人の考えだ。
自民党もいい加減なことをやっていると、冷戦で仕事が終わったと捨てられる恐れがある」
 まさにその通りで、今、変化の意欲が高まっているのは当然なのである。
 その変化が、既存の自民党の中で起こるのか、その外に起こるのかは自民党の自己修正能
力次第だ。
 一番根本的な問題は、自民党はだれを代表している政党なのかということだろう。特定の
利害団体や、官僚の業種育成政策から、国民の利益を守る能力があるのかどうか。もし、そ
れが可能なら、戦後起きた180 度のドンデン返しと同じことが起きる。
 資本主義の父・アダム・スミスはこう言っている。
 「同じ業種の人々が、楽しみのためとはいえ一緒に集まれば、その会合はたいてい公共社会
に対する陰謀に終わる」
 特定の業者の利害は、公共の利害としばしば対立するという指摘である。
 国民に選ばれた政治家の仕事は、近代社会の中で膨張してきた利益団体に対して、国民の
利益を保護することにある。』


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