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木造の家は地震に強いか 杉山英男著 [木造]


杉山英男著「木造の家は地震に強いか」
盛岡発のUターンラッシュの自由席にて読了した。
図書館から借りてきた本である。
新書ブルーバックス(1985年)出版であるが絶版のようだ。


杉山英男氏は木質構造関係者なら知らない人はいないほど有名な方だったらしい。
私は知らなかったが。

四国新聞の訃報がWEB上に残っていた。

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杉山英男氏死去/東大名誉教授、木質構造学

 杉山英男氏(すぎやま・ひでお=東大名誉教授、木質構造学)
2005年2月18日午前3時30分、すい臓がんのため東京都杉並区の病院で死去、
79歳。静岡市出身。自宅は東京都武蔵野市吉祥寺東町2の23の19。
葬儀ミサは21日午後1時半から武蔵野市御殿山1の7の8、
カトリック吉祥寺教会で。喪主は妻邦子(くにこ)さん。
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杉山英男氏関連記事にやや物騒なものを見つけた。

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「住宅・健康関連本」の独善的週評 鵜野日出男

.....1959年の伊勢湾台風にかこつけた「火災・風水害防止のための木造の禁止決議」。
10月25日に開催された建築学会の緊急集会で大会決議として可決された。
耐震性が理由だというならまだ分かる。風水害を理由に禁止するというのは筋が通らない。
この背景にあったものは軽量形鋼の出現。
公的機関の実大実験によれば軽量鉄骨は出火後25分間もたたないうちに完全倒壊。
それなのに、軽量形鋼は木造よりも優れた「簡易耐火建築物」として政治力で認定された。
鉄鋼メーカーと建築学会と建設省。この3者がリンケージした木造叩きという安っぽいシナリオ。
杉山先生の怒りが行間に溢れている。
同じ思いを私も何度か経験した。
後に住宅局長になり長崎から衆議院議員になった松谷蒼一郎氏。
氏がまだ建築指導課長の頃は鉄鋼メーカーのスポークスマンと言われていた。
鉄骨プレハブ振興一本ヤリでツーバィフォーを敵対視。
そのため日本にツーバィフォー工法をオープンな形で導入したホームビルダー協会は、
鉄鋼メーカーのスポークスマンによって締殺された。.......

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杉山英男著「木造の家は地震に強いか」は新書ながら、かなり専門的な内容の本である。

日本の「伝統構法」信奉者が読んだら卒倒しそうな内容だ。
耐力壁・筋違い・金物・RC造布基礎などの推奨の本だからだ。
でも、木構造を志す人は読む義務は有りそうだ。

阪神・淡路大震災前に書かれているが、いまだに新鮮だ。

日本の木構造についての議論は理論より、まず各人の「思い入れ」から
出発する。感情が先立つ。よってなかなか纏まらない。
無理に纏める必要はないが・・・・・

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mike

得意不得意や、好き嫌いとは別に、
なぜか日本人は、木造に何らかの思い入れがありますよね。
私も個人的には木造は大切な存在です。
でも、実務的にはわかっているようで、
本当はわかっていな部分も多いのでは?
と頭をよぎっています。
少し立て込んでいますが、この類の本をじっくり読みたいです。
by mike (2008-05-11 18:43) 

しょうたく

その杉山先生ですが、亡くなる直前に「日本の伝統構法を研究しなかったのは人生の間違いだった」と身近な方に話していたそうで・・・。その人生の間違いのせいで大勢苦労しているんですよ。まったく帝學の学者は・・・。
by しょうたく (2008-05-20 21:15) 

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