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市川の鉄筋不足で考えたこと [その他]


千葉市川の超高層ビルの鉄筋不足

大きな組織では品質管理に関して様々なルールを作り
チェックシートも多量にあるはずです。

それが有効に実行されていない現実があることを
今回の事件は物語っています。

スーパーゼネコン関係の色々な掲示板をみると
現場の繁忙さ、人手不足を嘆く投稿が満載です。
しかもコスト切り下げの要求に応えていかなければ
ならない現状が伝わってきます。

大きな人身事故が起きていない現在を幸運と考え、
思い切った改革を図る時です。


また北海道の構造家 岩佐さんの文章を引用しよう。

**************引用開始************************

粘り強く耐え続ける建物を造るには

岩佐浩氏

第30回  施工技術  (2005.06.01)

建築施工において、
本当の意味での「やり直し」は絶対にできないものです
この事は大切なことで、仮に「やり直し」をすることで「元」に戻せたり、
本来のものにすることは不可能ということです。
全体を基礎から新規につくり直すことであればまだしも、
全体の一部分や局部のやり直しは、全体として本来のものにはなり得ず、
全構造体の本来受持つ性能を保持できるものではありません。
・・・・・・・・・・・

施工図も本来は自分の手を動かして、担当する人達が作るのが原則です。
現実的な切実感が伴なわなければ、
間違いを見つけたり想像力を働かせたりできません。
ところが、施工図が儀式化され、
最近ではコピーとか設計図のCADデータを構造設計者から
入手することを考えている施工者が多くなってきています。
又、今は、外国(主に中国)に外注して、
Eメールでの往復により作図しているのも現実です。
日本での留学その他で建築の設計図・施工図の作り方を学んで
帰国した人が中心になって、設計図や施工図作成の会社を作っているようです。
この事は他に意匠図・ソフト・アニメなど多くの分野がこの流れになっています。
・・・・・・
自分たちの手を使わずに国の内外を問わず外部に依頼する流れは、
古くからありました。しかし、現在はその度合いが大きくなってきています。
ここで考えなければならないことは、
実際に手を動かしている所へ技術が移ることです
本当の実力は手に技術を有する末端にしか有り得ません。
・・・・・・・・

********************引用終わり***************************


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kokoko1965

こんばんは!
コメントありがとうございます。
何がなんだか・・・ この手の ニュースには もう 「勘弁して・・・!」って感じですが ・・・ やっているのも 「人」 だし・・・ しかも 一般の方から見れば その人は 間違いなく 「建築人」 として 映っているわけでしょうね。 何かが狂っているのでしょうか? としか 考えられません・・・。
応援して帰ります。  ぽち!
今後とも よろしく御願いします。 
by kokoko1965 (2007-11-09 00:00) 

たいせい

 ゼネコン(総合建設業)は、実際にはノーコン(何も作らない)だと思っていましたが、コスト計算以外はノーコントロールの意味も多少はあったようですね。
 私の場合は中低層の住宅業界が非常に気になっていますが、一般のお施主様が信頼されているほどハウスメーカーは信用できないように感じています。
 これらを切っ掛けに、会社の大きなところが信頼できるわけではなく、ちゃんと目を行き届かせて自分で施工もしている中小の業者の方が遙かに信頼度が高いケースもあるとの雰囲気を期待しています。
by たいせい (2007-11-09 09:02) 

mike

建築に携わる者としては、身につまされる思いです。
本当は、最初から完ぺきが良いのでしょうが …
人間も建物も、できれば”やり直し”が許容できるような、
仕組みがあればいいな、と思うんですが。
セイフティーネットというんでしょうか?
緊張感なくなるという弊害を考えると、
現実的には無理ですよね … (少・落)
> 本当の実力は手に技術を有する末端にしか有り得ません。
私も、そのつもりで、一生現役で居たいです。
by mike (2007-11-09 09:33) 

しゃくとりむし

本当の技術者とは、頭だけで考える人ではなく、
体を使って物を作っている人のことを言うべきなのかもしれませんね。
今技術者と言われている人たちは、本当の技術者を、
専門の知識をもってサポートする立場なのかもしれません。

私は、職人さんが技術者としての誇りを取り戻すことで、
(お金のことだけではありません)
現場が良くなる気がしていましたが
この引用を拝見して自分の考えがあながち間違いではなかった
という自信が持てました。

(もちろん、それだけですべてが良くなるとは思えませんが)

この記事にであわせてくれたsei-kitaさんに感謝します
by しゃくとりむし (2007-11-10 08:25) 

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